2012年9月26日 (水)

[日経ツイート]9/24・9/25朝刊より

9/24。携帯WiMAXの充電を忘れてツイートできませんでした。

■<春秋>多発する駅員への暴力
反抗されないのをいいことに、駅員に暴力をふるうのは私たちと同じ大人です。
このような事件が後を絶たない状況で、子供のいじめを根絶しようとするのはおかしいし、やるとしても優先順位が違います。
子供は大人を映す鏡。大人の社会でいじめをなくし暴力をなくさなければ、いじめ対策など絵に描いた餅に過ぎません。

■問題解決力の育成を 改革求める提言 学士課程、質的に転換
教育面(22面)。河田悌一氏の寄稿です。
自分たちが学生の頃に比べて、最近の大学生はまじめに勉強するようになっていると思いますが、その一方で大学が就職予備校となってしまった部分は否定できないでしょう。大学での学びと社会人のキャリアが断絶しており、学問に重きを置いていないのが見て取れます。これなら、就職予備校に徹してビジネス研修に特化したほうがいいくらいでしょう。
そこからの改革が求められているわけですが、まだ危機感が見えていないように思います。いくつが大学が閉校になり、欧米の大学が独自カリキュラムをひっさげて日本に上陸し、成果を上げるようになれば、状況も変わってくるのでしょうが、まだまだそこまでの大規模な変化は見られなさそうです。

9/25。今日はツイートしました。
■<ネット 人類 未来>余った1兆時間 どう使う

#日経 9/25 1面「ネット 人類 未来」。中学校でもパソコンとインターネットを活用した授業が増えています。記憶はネットに任せて、人間は記憶の活用や新たな創造を主体としたいところです。余った1兆時間も、情報を人間からネットに移す動きに少しでも使えればと思います。

さらに関連記事が15面にありますが、1面と打って変わって陰の面、サイバー攻撃とその対策。サイトの改ざん程度で済めばいいのですが、機密情報が持ち去られる可能性もあります。
攻撃者はその技術力を別の方向に使ってほしいのですが、現状はいたちごっこで対策をとるしかない状況。対策側のセキュリティ技術も強化してほしいと感じます。

■<経済教室・やさしい経済学>若年雇用の構造問題[1]増える非正規

#日経 9/25経済教室(27面)「やさしい経済学」は安藤むねとも先生。若年層雇用の問題は、若い研究者が主体となって改善策を出していかないと、まともな案は出ないように思います。年長世代はバブル景気をなまじ知っているから、彼らの置かれた現実を現実として受け入れられないのです。

安藤先生はツイッターでフォロしているのですが、ネットでも活躍が見られます。1976年生まれの経済学准教授で、密かに期待しています。
自分も団塊ジュニアなので、バブルを知っている年長世代に入りますが、若年世代の未来の見え方は、やはり自分には理解できない部分ができてしまいます。黙っていれば成長できた世代と、黙っていれば没落してしまう世代の差といえるでしょうか。

■キャリアの危機 3人に1人経験

#日経 9/25キャリアアップ(31面)、キャリアの危機になる失敗が「損害はないが社内に迷惑をかけた」程度なんですね。完璧主義と罪業妄想なのか、社会が小さなミスも許さないからか。自分も小さなミスで迷惑をかけてばかりですが、大損害を出すようなリスクを避けて来た結果にも思えます。

キャリアの危機という割には、その結果が会社に損害を与えるほどではなかったというのはどうかなと。隣に「私の課長時代」というコラムがあるのですが、ここに出る企業のトップで、会社に損害を与えるほどのミスをしなかった人はいないはず(と書いたら、今日の桑原・ワタミ社長は失敗談がなかった)。
自分も大きなミスが何度もあったし、一度はそれを理由に転職を決めました。でも、振り返れば、「キャリアの危機」と呼ぶほどには大げさすぎるし、気恥ずかしいです。

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2012年9月22日 (土)

[日経ツイート]9/20・9/21朝刊より

22日の夕方になってしまいましたが、昨日と一昨日の分を。

(9/20)
■<春秋>迷走するエネルギー・環境政策に皮肉

#日経 9/20春秋、エネルギー政策がふらついているようです。状況の変化に応じて柔軟に対応、といえば聞こえはいいのですが、軸や芯まで動くのでは困りものです。この問題に正解はなく、どんな選択肢も(選択しないのも)誤りでしょう。批判を恐れず、信念をもってほうしんを決めてほしいです。

「どんな選択肢も誤り」というのは、原発ゼロも再稼働容認も、結論を出さず先送りするのも、考えられるデメリットが大きく、避けられるべきなら避けるべきだという意味で書きました。とはいえ、とれる選択肢がなく、どれかを選ばなければならないというのが難しいところ。
政府は国民の声の大きいところを重視し、経済界は企業に与える影響を危惧し、日経は決めかねて先送りをもくろむ。それぞれに理があり、もちろん課題もある。誰が正解ということはないのですが、方針がころころ変わってしまうのはまずいでしょう。
政府としても再稼働を容認したいところが、民主党の路線上、国民無視を簡単にできないから声を聞いたふりをして、しかるべき時期に方針を撤回する……などというテクニックじゃないでしょうね。まさかとは思いますが。

■小水力発電、農業向け開拓

#日経 9/20企業1(10面)、用水路などで発電可能な小水力発電機のリース導入。小水力はあまり注目されていませんが、設備が小さく普及させやすいという側面があります。再生エネルギーは複数の方式を組み合わせて、効率化とリスク分散をはかるべきでしょう。

自分も注目していなかったのですが、小水力発電は1200万kWの未開発出力を擁する(ウィキペディアより、ですが)隠れた発電方法で、原発10基分強に相当します。再生エネルギーは安定した電力を供給できないという課題がありますが、複数の発電方法を組み合わせることでその課題は解決可能です。
個人的な理想をいえば、電力供給は100%再生可能エネルギーでおこなうことが望ましいです。コスト面や技術面で多くの困難があるでしょうが、これを最終的な目標と設定すれば、再生エネルギーの開発が格段に進むことが予想できます。

(9/21)
■<春秋>反日暴動における中国市民の発言

#日経 9/21春秋、暴動を起こした中国の市民の侮辱的な発言は、それ以上に酷いコメントが日本のネットメディアからも発せられています。発煙筒や灯油を撒いたといった事件も日本で起こっています。あちらが粗野で、こちらが高尚だとは、とても言えないでしょう。

記者の印象かもしれませんが、事実をある側面からしかとらえていない印象があります。現実には日本人側の中国や韓国に対する侮辱的な発言や、中国系企業や店舗への破壊行為が発生しており、いくつかは雑誌などネット以外でも取り上げられていますし、事件としては日経誌面でも掲載されたものがあります。
いろいろな考え方はあるし、それが良い悪いという評価をするつもりはありませんが、いますぐ中国と断交、貿易や経済交流も停止とするのは、日本経済の側が大きな変革を余儀なくされるでしょう。一例として、中国製、中国産のものを一切入れないとすると国内の商品のかなりの割合が店頭から消えそうです。それでも中国抜きの経済圏づくりを断行するのであれば、それなりの覚悟をもって取り組んでもらいたいと思います。
可能か不可能かといえば、可能でしょうね。戦後からバブルまでは共産圏諸国と断交して経済成長を遂げたわけですし。

■東京ゲームショウ開幕 「ソーシャル」出展7割

#日経 9/21総合2(3面)、東京ゲームショウが幕張で開催されています。ソーシャルゲームがコンプガチャを廃止したことで、課金モデルが多様化しています。ここから新たな収益モデルが生まれますし、色々なアイデアがでてくるのが純粋に楽しみです。

課金制のネットゲームが増えました。コンプガチャ頼みだった各社が、それ以外の課金モデルを模索しているところで、それに連動する形でゲームの幅も広がっているのではないでしょうか。
自分もゲームは嫌いなわけではありませんが、1回いくら、毎月いくらで課金されるようなゲームは控えていますし、どうしても無料か買いきりのものばかりになります。こういうユーザーに、どうやれば財布のひもを緩められるかを考えるのが、今後のゲームのあり方になっていくのかもしれません。10年前から同じことを考えているような気もしますが。

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2012年9月20日 (木)

[日経ツイート]9/18・9/19朝刊より

(9/18)
■反日デモ続く 日系企業休業相次ぐ

#日経 9/18総合・経済(3面)、中国の反日暴動の拡大で、日系企業の施設が壊されるなどして休業が相次いでいます。これ以上の被害は望みませんが、逆に日本で排外デモが起こったと想像すると、止めるのに勇気がいるという状況でもありそうです。日本経済の中国撤退は日本の損な取引ですし。

日中関係は悪化しており、武力を行使する事態に至らなくても、国交断絶や経済封鎖の可能性は出てくるでしょう。日本国内での日本人による排外デモも(規模は小さいながら)発生しており、同じ日本人として彼らを止める言葉を、自分は持ち合わせていません。ですが、こういうときこそ冷静になりたいですね。
中国との貿易・経済の断絶が起きてしまうと、日本のほうが損な取引になります。あちらは日本市場がなくなっても、欧州や東南アジアを開拓しに行くでしょうが、日本は極端な商品不足に陥り、消費者心理はどん底まで行きかねません。

■<転機の配信ビジネス>アニメ・音楽、投入急増
9/18の7面(企業面)のコラムです。10月に著作権法が改正され、著作権を侵害しているコンテンツであることを知りながらダウンロードする行為が刑事罰の対象となるほか、DVDのデータを取り出してコピーする「リッピング」が、私的使用の範囲内であっても違法となります。
配信側にとっては、海賊版が排除され公式コンテンツを流通させる舞台が整ったともいえ、デジタルコンテンツのビジネスかがさらに進むことになりそうです。
ですが、なぜ消費者が法に触れる可能性があると知りながら、海賊版や違法コンテンツに手を出していたか考える必要もあるかと思います。大きな理由は2つあって、安い(無料である)ことと自由に利用できること、といえるでしょう。配信業者に囲い込まれることや、氏名やメールアドレスなどの個人情報を提供させられることなどは、できれば避けたいですし。

(9/19)
■尖閣に中国船、緊迫続く

#日経 9/19 1面トップ、柳条湖事件から81年目にあたる18日の中国暴動は、不安視されていたほど大規模化はしなかったようです。外交の不手際と言いますが、尖閣問題に関していえば中国側が仕掛けてきた部分もあり、衝突は避けられなかったのではと思いますが。

こう言っては何ですが、「抗日」の区切りとなる日としては、暴動は小規模に収まったのではないかといえます。日経は日本の外交の失政を批判していますが、とるべき対応が「根回ししておけ」ではあまりにも論理が弱いです。根回しは大事ですが、米国は大統領選挙、欧州は経済危機でそれどころではないでしょうし。

■電力10社、CO2排出29%増

#日経 9/19企業総合(9面)、電力各社のCO2排出量は11年度が前年比29%の大幅増。原発の代替が火力しかなかったため、当然の結果ではありますが、看過はできません。脱原発と脱火力を両立させることが求められ、新しいエネルギー源の開発が急がれます。

夢物語かもしれませんが、脱原発と脱火力を同時に進めることが、これからの日本のあるべき姿だと考えています。同時にできないとしても、優先順位をつけて両方を達成することが求められるでしょうし、そのためには再生可能エネルギーを安く安定して取り出す技術が必要となります。
石油危機のあった40年前から取り組んでいて、いまだに成果が出ないというのは理解するのですが、だからといって最初からあきらめるのはいかがなものでしょうか。

■難問『ABC予想』証明か
9/19の社会面(埼玉版では38面)。数学の予想のうち、誰も証明できていなかったものの1つを日本人数学者が証明したとする論文を発表しています。
これを発表した望月教授は、米国プリンストン大学を飛び級で卒業した天才。自分も中学までは数学が得意で、学校の成績も上位でしたが、大学で学ぶ数学は中学・高校のそれとは全く違うもので、ついて行けませんでした。

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2012年9月15日 (土)

[日経ツイート]9/13・9/14朝刊より

9月13日紙面より。

■フェイスブックCOOに聞く「スマホ最優先の体制に」

#日経 9/13総合1(2面)、フェイスブックのサンドバーグCOOへのインタビュー。具体的な話を聞き出せたわけではありませんが、PCからスマホにシフトしていくようです。フェイスブックは、ビジネスの場として広まったところがあり、本来の楽しみ方を忘れているように感じます。

ほとんど何も言っていないに等しい記事ですが、フェイスブックの幹部にインタビューできたことが最大の収穫なのでしょうか。
フェイスブックが日本に定着するよりも早いくらいの時期から、マーケティングツールとしてのSNSが志向されたことで、自由度がなくなったというか、手垢にまみれた状態になってしまったようにも感じます。可能であればSNSの原点に立ち戻り、利益よりも楽しさを追求してほしいと思うのですが。

■<大機小機>エネルギー政策 決定手法の疑問

#日経 9/13マーケット総合2(15面)「大機小機」。エネルギー政策が自分たちの想定どおりに動かないからと、民意にケンカを売るのはいただけません。将来が不明確だから目標を定めるべきではない、というのもどうかと。意欲的な目標で将来像を作っていくべきでしょう。

声を大にして、日経にいいたい。政治が方針を決めて前に進もうとしているときに、難癖をつけて足を引っ張るのはどうかと思います。自分も原発推進派でしたし、今回の決定には不安もありますが、原発ゼロと経済成長を両立する道を探して協力したいと考えています。
そして、日経の反対理由の第一が「将来の技術に不確実性が大きすぎる」ってなんなんだ。同じ口で、日本経済が低迷した理由が、不確実性を恐れて内向きになったことだとしているのですから、国の成長を望んでいないのではないかと思ってしまいます。

14日紙面より。

■<働けない 若者の危機>過保護に慣れた正社員

#日経 9/14 1面「働けない 若者の危機」。正社員が既得権であることは誰もが感じるだろうし、大学生の就職活動が過剰に大変なのも正社員を目指すからと言えます。無期限の雇用契約を廃して、いわば全員が契約社員になれば、雇用が流動化するし社会も活性化するのではないかと考えます。

……と書いたものの、自分も正社員の地位を失うことは怖いです。とはいえ、みんなが一緒に正社員でなくなるのなら、まあそういう時代だと受け入れられるのでしょう。
17年余りの社会人生活は、ずっとIT業界にいますので、他の業界の人よりも雇用の流動化を肌で感じているだろうとは思います。ですが、まだ全然足りない。極端な話、開発プロジェクトの稼働中だけ人を雇って、完成したら雇用契約終了、というサイクルを繰り返すくらいダイナミックな雇用形態もありだと思います。

■福島原発は「サティアン」自民・石原氏

#日経 9/14政治(4面)、石原幹事長の福島原発サティアン発言。発言に至るまでのいきさつや文脈、空気が見えないのですが、原発をカルト宗教と同一視しているようで理解に苦しみます。単なる言い間違いではなく、石原氏の原発政策に対する姿勢がみてとれたと言えます。

文脈がわかりませんが、石原氏は原発施設をカルト宗教のそれと同一視しているということなのでしょうか。単なる言い間違いだとしても、テレビ番組の収録中に、総裁選に出馬しようという政治家のミスとしてはあまりにも軽率でしょう。政治家は言葉が商売道具なのですから、他の職業よりも発言に対する慎重さを求められて然るべきです。
自民党、民主党とも総裁選が近いのですが、個人的には誰が政権を担っても一緒だろうな、とかなり冷めた目で見ています。持論ですが、政治に頼っているうちは、日本は復活しないでしょう。一人一人の国民が、政治に頼らず、いいかえれば政治を無視して自律的に動き出し、ばらばらに動く中で何らかの大きな流れができてくれば、そこに日本の復活を見いだすことができると考えています。
なので、石原氏の今回の発言にあきれたものの、意外に怒りは感じていません。興味もない、というのが正直なところでしょうか。

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2012年9月13日 (木)

[日経ツイート]9/11・9/12 朝刊より

9月10日は新聞休刊日、11日は多忙でブログをまとめられませんでした。
まずは11日分から。

■<社説>震災復興&決める文化

#日経 9/11社説、震災復興と決める政治の2本。民意が多様化し、全部取り込もうとして動きが取れなくなっているのでしょう。従来なら、震災前の状態への復旧を最優先として、地元や広域処理先の住民の反対を封殺していたでしょう。そのほうが復興は早いでしょうが、適切だといえるでしょうか。

ツイートでは復興に重点を置きましたので、「決める政治」についていくつか。
ねじれ国会の影響で民自合意がないと何も決議できないこともありますが、「民主主義の原則」を私たち自身がないがしろにしている部分もあるのではと感じます。意見を出し、議論を尽くした後には多数派に従って協力すべきなのですが、少数派が自分の意見が通るまで議論を尽くしたと認めず、議論を進めさせない、決めさせないように動いているのではないでしょうか。
エネルギー政策(脱原発政策)に対する日経の態度を見ていると、政治に決断力を求めるといいつつ、自分たちの意に沿わない決断は認めないというダブルスタンダードが顕著です。自分自身も原発推進派であったのですが、脱原発が多数派であるのは明らかで、ならば脱原発と地球環境問題、とくにCO2排出削減問題を両立する方法を考えるべきという立場に軸を写しています。多数派が正しいとは限らないとしても、多数決に従うのが民主主義のあり方でしょう。

■最低賃金 12円上昇

#日経 9/11経済(5面)、全国の最低賃金が出揃いました。時給1000円以上と、かつて民主党が目標としましたが、払えなくて雇用が抑えられる可能性が高かったですね。失業率は高止まり、デフレや不況も続き、政府の財政も限界。雇用という1点をとっても、容易な解決策は見えません。

最低賃金を上げると雇用コストがその分増加し、コスト削減のために雇用自体が抑えられてしまう、企業が収益を出せなくなって景気が悪化する、といった問題が指摘されています。これらの指摘は、ある部分では真実でしょうが、実際に雇用も賃金も制限を設けず(つまり無休で働かせることもいつでも解雇することもできる)、経営者が自由に設定できるとしたらどうなるのか、思考実験として考えてみたくなります。
経営者以外全員を非正規雇用にして、低賃金で働かせる企業ばかりになる、と簡単に答えが出るわけではないと思います。そういう企業は継続性を持てませんし、優秀な人材を好待遇で雇用する企業には勝てなくなります。能力による所得格差が大きくなりすぎますし、存続できない企業が増えすぎますので、だから最低賃金を撤廃しても問題ないとはいきませんが。
ちなみに、オーストラリアの最低賃金は時給15.96豪ドル(約1300円)だそうです。日本が最低賃金を上げた場合のモデルになりそうですが、詳しい分析があれば読みたいと思いました。

以下、12日の紙面から。

■尖閣諸島を国有化

#日経 9/12 1面、尖閣諸島を国が買い取る方針。決まったことなので口を挟むことはないのでしょうが、個人所有のままでもよかったのではないかと思います。領土問題は、本来は歴史や政治を知って軽々しいことは言うべきではないと思いますが、威勢のいいことをいうほうが受けるのが現実。

20億円とのことです。地価を計算してみましたが、魚釣島が3.82平方キロ(約120万坪)あるわけで、単純に平均すると坪2000円弱ですね。……まあ、こんな計算をする人は他にいないと思いますが。
領土問題は各国の主張がぶつかり合い、誹謗中傷の応酬になるので、見ていて気持ちのよいものではないと感じます。とはいえ、主張すべきところはすべきだし、かといって武力を含めた実力行使に及ぶべきとは思えず、いろいろ難しいところです。

■セブンイレブン、海外コンビニ 日本流に

#日経 9/12企業総合(9面)、セブンイレブンが海外進出を加速し、日本流を採用。米国「子会社」というのにびっくりですが、本社を子会社にしていたようです。日本のコンビニは消費者を捕らえ、強くなりました。その営業手法は、胸を張って世界に誇ってよいと思います。

記事中の「米子会社」は、2005年に子会社化したセブンイレブンの本家。本家が経営破綻し、日本法人に助けられた格好です。コンビニの概念は米国から持ってきたモノだとしても、日本で大きく成長し、小売業の形態として確固たる地位を確立したことは世界に誇れることだといえます。
世界進出(その前に、ようやく四国上陸を果たすようですが)はすでに進んでいますが、日本流の出展計画や店作りを採用することで、より細やかで品質の高いサービスが実現するだろうと思います。それこそが日本の強さ。コストをかけるべきところには投入し、日本流の良さを世界に伝えることが重要だと考えます。

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2012年9月10日 (月)

[読書メモ]勝間和代『「有名人になる」ということ』

20120910__2「有名人になる」ということ(勝間和代)

勝間和代さんの最近の著書です。勝間さんはブームの頃に書かれた本より、ブームが過ぎて酷評されるようになった自分自身を、ある意味自虐的にとらえている最近のもののほうが、おもしろく読めています。この立ち位置の人はあまり表舞台に出てこないし、出てきても自分のポジションをどう定めるかで試行錯誤している感があり、有名になる前とはまた違った苦労があるのがわかります。
本書は大上段に構えたタイトルにしていますが、セルフ・プロデュース、あるいはセルフ・ブランディングのあり方を問うた本です。勝間さん自身の経験をもとに書かれており、勝間さんのセルフブランディングは「有名になる」ために行っていたということですので、この書名になっています。
(なお、勝間さんにとって有名になることは目的ではなく、女性の社会進出を進めるなど、よりよい社会を作るための手段として、自ら広告塔になることが有用と判断したとなっています。)

人は誰しも名をあげたい、有名になりたいと考えていると思います。そうでない人は、本書でも示されている有名になることのデメリットやリスクを重視し、リスクを避けるために名をあげることを拒否しているのでしょう。もちろん、それも間違っていないのですが、有名になりたいと思っていてもそうなれないのは、セルフブランディングのあり方に原因があるのでしょう。
そして本書を読んで、そこまでして有名人になりたいだろうか、と自問します。セルフブランディングの絶え間ない努力と、その結果ついてくる前述のリスク。そこでリスクをとってでも名をあげたいという人は行動を起こし、独立し、知られるようになっていくのでしょうが、自分なんかはとてもとても。

勝間さんに限らず、成功された方々(本人がどう考えるかではなく、世間的に見ての成功)のそこまでの努力は大変なものがあるし、話を聞くたびに驚かされます。好きなことを好きなようにやっていて、気がついたら有名になっていたということは、まずないだろうと思いますし、たとえそういう話があったとしても、表に出ない苦労を積んでの結果だろうと考えます。
本書の場合、単なる苦労話ではなく、なぜそういう努力が必要なのか、という観点からロジックに基づいて書かれているのが、売りになっています。テレビに登場するだけが有名になることではありませんから、実績を上げる、売り上げを伸ばす、アイデアを形にするなど、いろいろな方面で役に立つと思われます。
自分の特徴をつかみ、生かしていくこと。勝間さんの場合は概念を言語化する能力であり、他の人も自分も、何か他人にはない特徴を武器にすることができます。その武器を生かすことが、セルフブランディングであり、有名人を目指す第一歩ということでしょう。

有名人になることによるデメリットは、当然予想されるもの。有名になりたいという気持ち自体が、有名人に対するうらやましさとなって批判につながる部分もありますから、叩かれることを避ける方法はありません。
その辺りの対処方法はあまり書かれていなかったのですが、やはりある程度は受け流し、ある部分については真摯に対応し、いずれにしても下手に策を弄することなく軸をぶらさないこととなるのでしょうか。

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2012年9月 8日 (土)

[日経ツイート]2012/9/7 朝刊より

■原発稼働ゼロ 30年代に

#日経 9/7 1面、民主党は2030年代に原発の稼働をゼロにする方針をまとめました。方針そのものは悪くなく、むしろ日経の反発が、変化を拒む前時代的な主張に見えます。意欲的な目標なのは承知ですが、再生エネルギーを積極的に活用して、達成に向けて全力を尽くしてほしいです。

震災と原発事故から1年半がたとうとしており、エネルギー政策に対する世論は「脱原発」でまとまりつつある、といえるでしょう。理念をすり合わせる時期から、理念を実現させるための方法を考える時期に来ていると感じます。
もっとも大きな課題は、震災前に全電力の4分の1を供給してきた原子力を、何に代替させるのか、ということになります。「原子力よりも安価で、火力のように温室効果ガスを発せず、安定して供給可能なエネルギー源」があれば正解ですし、すでに原子力や火力から置き換えられているでしょう。
もちろん現在の技術ではこのようなエネルギー源は得られないわけです。技術の発展を待つのか、次善の代替案を模索するのか、原発分の電力消費を削減して対応するのか、あるいは、やはり原発に頼らざるを得ないのか、議論して答えを出していく必要があります。これ以外の選択肢もあるでしょうし、いくつかを組み合わせるのも当然あります。ただ、何も考えないでずるずる行ってしまうと、コストも環境問題も国民の不安も、何も解決できないという結果に終わりかねません。

■<社説>文科省いじめ対策に疑義あり

#日経 9/7社説、文部科学省のいじめ対策は機能しないように思います。25年前の中野のいじめ自殺の直後にも同様の流れがあり、何も解決しなかったことを認識すべきでしょう。大人の社会がいじめや差別をなくし、多様性を認め、子供たちには学校以外の社会を見せることが、第一歩でしょう。

ツイートで「25年前」とあるのは、1986年に起こった中野区在住の中学生の自殺事件です。当時もいじめに対する撲滅運動が盛り上がり、官民ともに様々な対策が行われたわけですが、結果的にいじめをなくするどころか、新たな自殺を防ぐこともできませんでした。
こういう書き方をすると元も子もないかもしれませんが、人間がいて社会がある限り、「いじめ」は起こりえるものです。その前提で、いじめの被害を軽減することに注力するべきであり、とにもかくにも「価値観を多様化させる」「多くの社会を示し、社会やその構成者を流動化させる」ことです。ぶっちゃけ、逃げ場を与える、逃げることを否定しない、と言い換えてもいいかもしれません。
学校というのは教育機関として大きな役割を果たしている一方で、社会やコミュニティといった視点で見ると特異なものとなります。義務教育の公立学校に絞っていうと、学校というコミュニティは構成員が同世代、同地域の人間に限られ、ほぼ強制的にそのコミュニティに参加させられ、一定の期間は出られないわけです。さらにいうと、学校というコミュニティに思想や目的が存在せず、したがって学校のあり方に共感することが本質的にありえない、ということもいえます。
学校を学習塾のひとつと位置づけて、教育だけに特化させたほうがいいのかもしれません。集団生活や生活指導、風紀のようなことは、一般社会と直接つながった別のコミュニティで各自学んでいくほうが、社会のあり方にフィットしているのかもしれません。

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2012年9月 6日 (木)

[日経ツイート]2012/9/6 朝刊より

4日と5日の記事は消してしまいましたが、今日からこちらのブログで掲載します。
毎朝、通勤時に日経新聞を読んでいるのですが、その際の気づきや何層をツイートしているのをブログに転載するものです。自分にとっては理解を深めるため、読者の皆様には記事と読み方のひとつを紹介できればと考えています。

■<真相深層>アップル 独走いつまで?

#日経 9/6総合1(2面)<真相深層>、アップル失速に備える企業。アップルが隆盛を保つとすれば、iPhoneを捨ててさらに画期的な製品を投入できたとき。そうでなければ沈みます。と考えると、iPhone頼みのビジネスはあと数年持てばよく、次の変化を想定すべきでしょう。

ジョブズがアップルに復帰して最初にやったのは、混乱する製品ラインアップを一掃して、数個のブランドに再編したことだといわれています。ジョブズは「捨てる」ことに躊躇がありませんでしたが、今のアップルに捨てる勇気、つまりはiPhoneに変わる画期的な製品の投入ができるかどうかが近い将来に問われてきます。

■スマホ向けOS マイクロソフト反攻へ動く

#日経 9/6国際1(6面)、ウィンドウズフォンが2強に割って入れるか。ウィンドウズフォンのUIは斬新なゆえに、開発者と利用者をどれだけ引き込めるかで成否が決まりそうです。開発者としては、どんな変化にも対応できるだけの柔軟さと知識をつけておくことで乗り切りたいところです。

スマートフォンもタブレットも、iPhone/iPadかAndroidかという状態になっていますが、MSもあきらめてはいません。Metro UIと呼ばれる(名称を変えるようですが)、PCとスマホの共通UIを提案して新たな価値の創出に賭けます。
私の勤め先ではスマートフォン向けのアプリ開発も行っていますが、Metro UIは気になる存在。Windows Phoineはいわばブルーオーシャンの状態ですから、積極的に仕掛けていけるよう技術力を付けたいところです。

■交流サイト、収益性に陰り 今期 グリーなど利益率悪化

#日経 9/6投資・財務(13面)、携帯SNS各社の成長を比較しています。コンプガチャの影響は収束し、海外進出に活路を見いだします。1年前との従業員数の比較も、各社大幅に増やしており、中でもグリーは3倍に増加。これでも収益性の不安で株価は落ちます。投資家は目先しか見ないですね。

携帯ゲームのビジネスモデルがそのまま海外で通用しそうだと、各社は手応えを感じています。海外市場向けの投資と、コンプガチャの廃止に伴うビジネスモデルの見直しで、これまで通りの収益が確保できなくなっているのは事実ですが、まだまだ成長を続ける分野でしょう。目先の利益しか見ない投資家(「投機家」と呼ぶべきか)にはなりたくないものです。

■酒気測定・勤怠管理システム スマホ、1台で2役

埼玉地方面(35面)の記事です。路線バスやタクシーの乗務員が利用することを想定したシステムで、呼気中のアルコール濃度を測定する装置をスマートフォンやタブレットに接続し、呼気測定とともに勤怠管理も行うというものです。
自分の使い方を考えてもそうなのですが、スマートフォンアプリの業務展開はまだまだこれからといったところで、アイデアひとつで大きく伸びる可能性があります。システム開発に携わっており、こういったものを作る側、考える側でもありますので、大いに頭を使いたいですね。

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2012年9月 2日 (日)

[勉強会]2012/09/02 リーラボ@渋谷マークシティ

20120902__ ○コミュニティ名:読書朝食会Reading-Lab首都圏版
○名称:【9月2日(日)8時30分開催@渋谷】読書朝食会"Reading-Lab"のお知らせ
○日時:2012年9月2日 8時30分~9時30分
○場所:エクセルシオールカフェ 渋谷マークシティ店
○参加者:3名

渋谷駅のカフェはどこも混雑していて、読書会を開催するのには不向きという印象があったのですが、ここは案外穴場のようです。マークシティの端にあって渋谷駅から遠い(直線距離だと井の頭線で隣の神泉駅のほうが近いくらい)のと、途中にスターバックスがあることが理由かもしれません。
休日の朝会祭の読書会としては、かなり有望な場所かもしれません。

今回は直前に開催が企画されたことにより、参加は自分を含めて3名でした。今回紹介された本は、以下の3冊です。
「有名人になる」ということ(勝間和代)
仕事が変わる「ひとこと片づけ術」(小松易)
1000%の建築(谷尻誠)

勝間さんの著書は私が紹介しました。詳しくは改めて書くことになるかと思いますが、勝間さんはコンサルタントの立場ではできなかった自分の目標を実現するため、自分自身を広告塔にして有名になることを選択した、言い換えれば日々の活動の延長でたまたま有名になったのではなく、そこには戦略があったということです。
勝間さん自身の経験をもとに語っていることもありますし、セルフ・ブランディングの方法論として本書を読み進めていくと、興味深い部分は多くあると感じました。

小松さんは片づけ術の著書を何冊も出している、この道の専門家です。2010年の「断捨離」ブームあたりから、この手の本が増えてきていますが、部屋が片付かない自分にとっては耳の痛い話です。
(余談ですが、前に別の読書会で妻と一緒に参加したとき、この手の本を紹介してもらい、妻のほうが影響を受けていました。やっぱり自分としては肩身が狭い……。)
仕事場は、現在は出向先で「自分の場所」という感覚がないこともあり、余計なものは持たずに片付いています。PC内のデスクトップも何も置かないので、自宅だけ散らかっている人ということになります。こういう人はどの類型にされるんでしょうね。

谷尻さんは建築家。様々な建築を手がけ、そのいくつかは谷尻さん自身のサイトにも紹介されています。
その1つをノートパソコンの画面で見せてもらったのですが、自動車教習所の隣にあるカフェの内装を道路と同じようにして(実際にアスファルトで舗装した!)、屋内でありながらオープンカフェという驚きを与えてくれています。
ものから「名前」を取り除くこと、逆に新たに「名前」を与えることで、ものに対する本質と機能を再検討することを意識しています。このカフェも、元は居酒屋だったのを「カフェ」という名前を与えたことでカフェになった、としていました。
また、自分は電子書籍で紹介したのですが、この本は現状では電子書籍にはできないでしょうし、してほしくないと感じました。実際に手に取ればわかりますが、縦書きや横書き、あるいは渦巻き状に文字を配置したレイアウトを混在させ、「透明」をテーマとしたページでは透明の文字(活字の部分だけ光が反射するので何が書かれているかはわかる)で印刷されていたりします。
こういった意欲的な手法は、まだ印刷本にしかできないことですし、印刷本の良さを示している例だといえます。近い将来には、電子書籍でも同様の手法を再現できるかもしれないし、電子書籍ならではの(印刷本にはできない)手法が現れて定着することもあるとは思いますが。

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2012年8月23日 (木)

[読書メモ]福田秀人『ランチェスター思考』

20120822_ランチェスター思考 競争戦略の基礎(福田秀人)

ランチェスター戦略は、もともと軍事での考え方です。物凄くおおざっぱに言うと、局地戦での戦闘力は兵力に比例し(第1法則)、広域戦・確率戦では兵力の2乗に比例する(第2法則)、というものです。
これを経営やマーケティングに応用したのが本書などのランチェスター思考で、シェアのないものがシェアのあるものと戦うために何をするべきか、ひとつの指針となります。シェアのない、つまり兵力の少ない側は局地戦に持ち込むか、相手の兵力を分散させて戦うことが求められますが、なぜそうなのかを理論立てて説明したのが本書となります。

本署の経営理論は非常に保守的で、目を引くような大胆な提案はほとんどありません。勝つには、当たり前のことを、当たり前にやることが求められるし、戦況は刻一刻と変化するのだから、昨日までの戦略が今日は使えないとわかれば、すぐにでも破棄して戦況にあった戦略を作るべきだということです。
いつでも逆転ホームランを狙って大振りを繰り返したり、過去の成功体験にとらわれて同じやり方に固執したりしているようでは、勝てる勝負にも勝てない、ということですね。

そしてもう一つ、大きな衝撃を受けた記述がありました。別のブログにも書きましたが、著者が「アマチュアの論理」と呼んでいる、ドラスティックな改革案の落とし穴です。現状の問題点の1つとその解決方法にしか目が行かないので、いま現在享受しているメリットや、改革案がはらんでいる問題点が見えなくなる、そのまま実行に移したことでより大きな問題となってにっちもさっちもいかなくなる、という状況です。
(詳細は著者・福田秀人さんのブログ『[持論] アマチュアの論理の脅威』をご参照ください)
歴史をひもといても、為政者が理想を追い求めたが故の急進的な改革や革命が、実行に移したことでデメリットが露呈し、それを強権で押しつぶしたことで大きな悲劇を招いてしまう、という事例はいくつもあげられるでしょう。
余談になりますが、現在の日本が抱えている問題、たとえば原発などエネルギー問題や、いじめなどの教育問題も、理想だけを語る改革案では「アマチュアの論理」に陥ってしまうでしょう。高い理想を掲げるのはよくても、そこに至るための道筋を具体的に見せられないようでは、理想に近づくことさえ叶いません。

話を戻して、経営の目標はトップシェアをとることと明確に定め、そのためには何パーセントのシェアを目標とするべきか、何段階かの具体的な数字を出しています。これらの数字は上述したランチェスターの法則に基づく数字となっており、裏付けのある数値目標が与えられたと言えます。
もっとも、目標が与えられても、そこに至るための行動指針が決まらなかったり、自分の中で咀嚼できなかったりするのですが(前にいた会社でもそうでした)。これはいくら理論を学んでも事例を調べても答えが載っているわけではなく、自分でひたすら考えていろいろやってみるしかないですね。

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