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2006年5月 2日 (火)

シットゥイン、シャタル

世界に将棋類はどれだけあるでしょうか。
私が知っている範囲では、チャトランガ (インド) が西流したシャトランジ (西アジア) 、チェス (ヨーロッパ) 、東流したシャンチー (中国) 、マークルック (タイ) 、チャンギ (朝鮮半島) 、将棋 (日本) 、とこれくらいだったのですが、ほかにもまだあるようです。

ミャンマーに「シットゥイン」(Sittuyin) という名前のボードゲームがあります。駒の動きなどから、マークルックが派生したか、同じ祖先を持つものと思われます。
盤は8×8マス、駒は王が先後それぞれ1個、将が1個、象が2個、馬が2個、車が2個、兵が8個の合計32個。
駒の初期配置は、ChessVariant.orgに詳しいのですが、左の4個の兵を3列目、右の4個を4列目に置き、残りの駒はそれより手前の任意のところに置けます。
動かし方は、王は将棋の王将 (チェスのキング) と同じ、将は斜め4方向に1マスずつ、象は将棋の銀将と同じ、馬は八方桂 (チェスのナイトと同じ) 、車は飛車 (チェスのルーク) と同じ、兵は歩兵と同じになります。

また、モンゴルには、「シャタル」(Shatar) というボードゲームがあり、こちらは大阪の将棋博物館に実物があるようです。
かつては独自の駒の動かし方があったようですが、現在はチェスと同じになっており、駒の名前だけが独自のものとなっています。いわく、

  • ノヨン (王) = キング
  • ベルス (獅子、あるいは将軍) = クイーン
  • テメー (駱駝) = ビショップ
  • モリ (馬) = ナイト
  • テリッグ (車) = ルーク
  • ノホエ (犬) または フウ (息子) = ポーン

だそうです。大型のシャタルもあり、ヒア (参謀?) という駒を追加していたようです。

いずれの将棋にも、持ち駒はありません。駒が立像型で、敵味方を色で区別し、駒に向きがないので、持ち駒を採用するのは無理だったのかもしれません。
これらの将棋類は、日本将棋の伝来ルートを知る上では興味深いものですが、「持ち駒」という部分になると……、どうなんでしょうね。

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コメント

mixiのコミュニティに参加させていただいております。
たまご915さんの「持ち駒再利用の成立過程」の論文、見ることが許されるのならぜひ拝見してみたいです!
輪廻転生の考えからなのですかね...
でもタイや中国の将棋に持ち駒は無いんですよね。
江戸時代の循環型社会の精神?
なかなか奥が深そうです。

投稿: でこ | 2006年5月 7日 (日) 18時30分

ありがとうございます。
論文発表が11月なので、それ以降に内容を紹介したいと思います。

投稿: Tamago915 | 2006年5月 7日 (日) 20時25分

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