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2006年11月18日 (土)

酔象のある詰将棋

今回の卒業研究で、やり残したことが結構あります。やはり、半年・2万字という制約のもとでは、書ききれないことも多くありました。
本日以降は、そういったやり残した考察を書き残していく場として、このブログを活用していきたいと思います。

論文にも書きましたが、今回は、1707年に発行された『象戯綱目』に掲載された小原大介作の詰将棋を取り上げます。
図1 (番号は振っていませんが、左から図1、図2、図3、図4とします) が掲載の出題図で、9六の位置に酔象があるのが特徴。

12_13_14
▲1七桂打 △1六玉 ▲2八桂 △2七玉 ▲5四馬 △8七酔成!(図2)

王手を放置して酔象を成ります。これで玉将が取られても太子を逃げればよくなります。以下、

▲2七馬 △8八太 ▲7八金 △9七太 (図3) ▲9八香 △8六太 ▲7七金 △8五太
▲7六金 △8四玉 ▲8九飛 △9三太 ▲9四香 △同太 ▲8五金 △8三玉
▲3八馬 △8二太 ▲7四金 △8三歩 ▲同金 △7一玉 ▲7二金 △同金
▲8一飛成 △6二太 ▲6一金 △5二玉 ▲5一金 △4二太 ▲4一金 △3二太
▲6五馬 △2二太 ▲7二龍 △6二歩 ▲2三歩成 △1一太 ▲1二金 (図4)

まで45手詰め。
歩が2枚余りますが、昔の詰将棋は現在ほど厳密な制約がなかったようです。
ここで10手目、△9七太としたところに注目。図3です。
この時点での持ち駒は香車1枚ということになっていますが、4手前に玉将も取っています。この玉将を打つことができれば、▲8七玉打!で1手詰めです。
ということは、この詰将棋では玉将は持ち駒になっていない、ということになります。

酔象を含んだ42枚制の将棋を考えたとき、この詰将棋と同じように、取った玉将は持ち駒とできないというルールがあったかどうか、そこまではわかりません。王手で玉将を打つのが禁じ手だったかもしれませんし (先に取られますし) 、玉将は打てないが酔象は打てたというルールだったのかもしれません。あるいは、酔象がなくなって150年がたっているので、酔象や玉将を「打つ」という概念がなかっただけかもしれません。

今ここで結論は出せませんが、研究材料となるのではないでしょうか。

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