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2011年1月25日 (火)

[読書メモ]宮台真司『日本の難点』

日本の難点 (幻冬舎新書)(宮台真司)

社会学の知識がほとんどない自分にとっては、かなり読み応えがあり、とくに著者の主張については難解な内容も多い1冊でした。それでも何とか読み切れたのは、著者の考えのベースにある、「底の抜けた社会」を実感していたからかもしれません。

自分にとって、依るべきコミュニティは存在しません。家庭も、地域も、家族も、会社も、ネット社会も、自分がなすべき役割を演じる場、つまりロールプレイの舞台でしかなく、「素の自分」を受け入れてくれるコミュニティにはなりえないといえます。
結局どこに行ってもうわべの付き合いしかできていないし、それゆえに友達や師と仰ぐ人物に出会うこともありません。とはいえ、現代社会がうわべの付き合いしか許さない社会だと理解しているので、私はそこで生きていくしかないと割り切っています。
実際には、うわべではない、心からの付き合いというのが、現代社会にも残っているのかもしれません。自分もそれを見つけられれば、本当の意味での友人や師を得ることができ、人間的にももう一段二段と成長できるのかもしれませんが、そうだと信じるにはまだ時間がかかりそうです。

さて、この書籍は、米国でオバマ大統領が就任した直後、日本で民主党が政権を奪う前に書かれたものです。政治的な見解については、日本の民主党の政策に重なる部分があるのですが、著者がその後どのように考えているのか、興味を持ちました。これはもっと新しい著書に書かれているのだと思いますが。
底の抜けた社会、自分の感覚ではコミュニティが存在しなくなった社会で、声の大きな人間が皿に声を張り上げるようになっています。社会の歯止めが利かなくなっているんですね。著者の宮台氏は、基本的にそのようなクレームを一切真に受けない、声の大きなものに決して迎合しないという態度を取っていますが、それだけ自分の発言に自信と責任を持っているのだろうと感じました。

ただ、正しいというのとは違う。政治も社会も教育も同じですが、人の判断は「必ず」誤る、そして「判断しないこと」も判断だという立場にいます。だから誤ることを前提とした社会の構築が必要であり、現代の日本社会に決定的に欠けているのが、誤り前提の視点だということです。この考え方は自分の中にはなかったし、非常に印象深く受け取りました。
社会自体が誤りを受け入れていないから、目の前の問題を解決すればよくなるか、それでダメなら社会全体をひっくり返すしかないと考えてしまい、結局何ら手が打てなくなる袋小路にはまっています。
それをどうすればいいのか、自分にはわかりません。宮台氏も何かを伝えようとしているのですが、自分には難解で理解しきれませんでした。

最後に、
「周囲に『感染』を繰り広げる本当にスゴイやつは、なぜか必ず利他的です」。
このフレーズは、すごくわかる。リーダー論でもあり、自分が師を見つけられない理由にもつながってくるのではないかと思うのです。

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