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2011年1月 8日 (土)

[読書メモ]堺屋太一『凄い時代 勝負は二〇一一年』

凄い時代 勝負は二〇一一年(堺屋太一)

2011年のはじめに図書館で見つけ、早速借りてきた1冊です。副題に「勝負は2011年」とあるので、これを今まで読んでいなかったのだから、今年こそ読むべきだろうと。
ちなみに、出版は2009年9月、リーマンショックから1年がたち、民主党が政権を奪った直後に書かれたものです。

バブル崩壊以降、豊かさの指標が変化しました。つまり、モノや財産が多くあることが豊かだとされてきた時代から、精神的な満足を求める時代への変化です。そのためにはモノよりも知識や情報が価値を持つようになり、著者の堺屋氏は本書で「知価革命」という言葉で表現しています。

そして、2008年9月に起こったリーマンショックについても、かなり突っ込んで分析されています。サブプライムローンの破綻に端を発する金融危機であることは間違いないのですが、その遠因として国際金融市場の構造的問題、もっと深掘りすれば国際基軸通貨であるドルが、国際通貨であることのみが信頼の理由となっていたため、信頼が崩れると崩壊を止められなかったことを指摘しています。

翻って、日本は製造業で発展してきた国であり、それゆえにモノへの依存が強く、l知価革命への対応が遅れたという状況にあります。サブプライムローンの影響を直接に受けなかった日本が、金融危機のダメージが最も大きかった理由もそこにあり、金融危機を脱した後に日本が国際的なプレゼンスを失うのか、新しい価値を得るのかの分岐点は2011年、今年にやってくるということでした。

おもしろいのが、江戸時代の日本経済を分析した部分。悪君とされた徳川綱吉の時代は元禄文化が花開き、世界最初の先物取引(大阪の米問屋)もこの時期であったといいます。名君と名高い吉宗の時代は、統制経済により不況を招いたとして、かなり批判的にみていました。

ここまでは書籍の内容のまとめで、ここからは私の感想。
正直なところ、日本の将来については、悲観せざるを得ない部分があります。日本という国に限らず、どんな組織でも個人でもそうですが、自分から変わることは非常に難しい。国の場合、革命か外圧かで変容させられることになるのですが、日本で革命は起こるはずもなく、米国自身も不況にあえいでいる中では、日本がよい方向に変容する外圧を期待できません。
本書でも明治維新なみの改革が必要で、公務員を一生が保証された「身分」から能力のある人材がつく「職業」へ改革すること、国の権限を弱めて道州制を導入することなどを提言していますが、実現はまず不可能でしょう。

ただ、知価革命という考え方は賛同できますし、高齢化を国の没落の象徴ではなく、価値を創造していく武器と考えるのは十分に現実的な考え方だと思いました。国ではなく、個人単位で知価革命を成し遂げていくのが、これからの私たちの生きていく道ではないかと考えています

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