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2011年2月 2日 (水)

[読書メモ]タラ・ハント『ツイッターノミクス』

ツイッターノミクス TwitterNomics(タラ・ハント)

ちょうどツイッターがブームとなり、関連本が何冊も出版されていた、2010年前半に翻訳された書籍のため、このタイトルとなっているようです。
原題は「The Whuffie Factor」(直訳すると、ウッフィーの要素)。書籍の内容としては原題のほうがよく表していると思いますが、直訳では何の本なのかわからない人も続出しそうですね。

「ウッフィー」という言葉は、この書籍が初出ではありませんが、ウッフィーの概念を伝える上で大きな役割を果たした一冊であることは議論を待ちません。ソーシャルメディアが日常的に使われるようになった現在、従来のマーケティング手法では顧客の満足を手に入れることができず、顧客のコミュニティに入り込み、信頼を勝ち得ることが顧客満足を高めるようになってきました。
そういう意味では、ウッフィーを「信頼」と置き換えることができるのかもしれません。信頼を高める特効薬はなく、むしろ信頼を高める目的でなされるいかなる行動も、逆に信頼を落としてしまうことになります。ウッフィーについても同様のことがいえ、ただただ愚直に、真摯に対応し続けることが、ウッフィーを増やす唯一の方法だと言えるでしょう。不思議なもので、ウッフィーというものは、ほしいと思うと手に入らず、意識していないといつの間にか得られているものです。
ですので、ウッフィーとビジネスは相性が悪い。ウッフィーを増やせばビジネス上有利になることはわかっていても、ウッフィーを増やそうとする行動が逆にウッフィーを減らしてしまったり、そうならないとしても短期的な利益に結びつかなかったりするわけです。ウッフィー時代のビジネストレンドが、先が見えにくくなっているのは、ウッフィーの本質的な部分が先を見せづらくしているからだと言えるでしょう。

本書の解説は、インターネット上で多数のジャーナリズム活動を行っており、MIAUの設立者でもある津田大介さんが行っています。
立場上声が大きくなってしまうことは避けられず、ウッフィーのルールである「大声でわめき立てない」に逆らってしまっている部分もあるかと思いますが、津田さんがこの書籍を解説するのは、適任でしょう。そして津田さんの視点から、日本のソーシャルメディアのあり方、ウッフィーのありようについて、方向性を示してくれています。現実がこの通りになるとは限りませんが(ウッフィーのルールにも「無秩序をよしとする」とある)、日本でもウッフィーという言葉は理解されなくても、ウッフィーの概念が広まっていくことを臨みます。

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