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2011年3月 2日 (水)

[読書メモ]ももせいづみ『「女のしあわせ」がなくなる日』

「女のしあわせ」がなくなる日―“本当にハッピーな人生”を手に入れるためにすべきこと (主婦の友新書)(ももせいづみ)

タイトル通り、もちろん女性向けの本ですが、男性の自分が読んでも十分納得のいく内容でした。性差をことさらに意識させるわけでも、何らかの価値観を押しつけるわけでもなく、むしろ既存の価値観から自由になってほしい、という作者の思いを感じました。

女性は結婚するべきだ、結婚したら子供をなすべきだ、子供ができたらきちんと育てるべきだ、その一方で女性は社会に進出するべきだ――。こうやって、女性は既存の価値観に押しつぶされてしまっています。
もっとも問題は男性も同じで、男は家庭を養うだけの収入を得るべきだ、マイホームを持つべきだ、定年まで正社員として働きあげるべきだ、その一方で家事も妻と分担するべきだ――と、やはり価値観にとらわれています。社会がマニュアル化したというか、相互に監視し合う社会になってしまい、とにもかくにも減点されないことが最優先となっている現状が、非常に息苦しいものに感じられます。

自分はまだ、そういった価値観からある程度自由になれていると思うのですが、女性も男性も多くの人が古い価値観に縛られているように思えます。
IT化の進展で、手に入る情報が格段に増えたことで他人の事例(成功も失敗も)が多く見えるようになり、結果として価値観にとらわれる状況をかえって強化させているのが現実でしょう。
そこには自由もなければ本人の意思もない。そんな価値観に何のしあわせを見いだすのか、そう作者は問うています。

そして既存の価値観を否定するだけではなく、かといって作者自身の価値観を押しつけるのでもなく、「こういう考え方もあるんじゃないの?」という道を示してくれています。つまり、作者は女性に問いかけていますのでその視点になりますが、子供を産んだからといって仕事を辞める必要はないし、仕事と家庭を両立させる必要もない。あれもできない、これもできないと自分を卑下するのではなく、自分ができることに自信を持って取り組めばいい。
そう考えることで、気持ちが楽になりますし、本書のテーマである「しあわせ」も、見つけ方に答えがあるわけではなく、案外身近なところに転がっていることに気づかされます。

そういうわけで、男性が読んでも十分役に立つ1冊だと思いました。

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