« [読書メモ]竹田恒泰『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』 | トップページ | [ITニュース]ブロガーズ・ネットワーク翼に移行しました »

2011年3月24日 (木)

[読書メモ]川辺謙一『図解・地下鉄の科学』

図解・地下鉄の科学 (ブルーバックス)(川辺謙一)

以前、別の地下鉄本を紹介したことがありましたが(2011/2/13の記事)、今回紹介するブルーバックスのほうが、ずっとおもしろく読めました。
タイトルにも「科学」と入っていますし、ブルーバックスですから、地下鉄を作ったり走らせたりする技術や科学について重点が置かれています。歴史についても記載されていますが、余計な憶測を交えずに、公開されている情報をきちんとまとめるだけでも、十分に読み物として成立しています。

たとえば、自分が通勤の乗り換えに使う、永田町駅。この駅のことがどちらの本にも書かれていたので、事例として取り上げてみます。
南北線と半蔵門線は、ホームが立体交差しているように見えるのに、直接連絡する通路がありません。素人目に考えても、両線のホームがシールド工法で作られているため狭いからだとか、ねじれて交差しているため通路が設置できないとか、それなりに理由はあるはず(裏付けは取っていません)。それを間に何か隠された構造物があるからだとか、言い出してもキリがないと思うのです。

東京の地下鉄は、路線図を見ているだけでも目が回りそうになりますが、実際には立体構造を考えて路線が作られており、勾配やカーブの大きさなども列車を走らせる際に重要な要素となります。また、地下には地下鉄だけではなく、水道やガスなどのライフライン、高速道路、地下街なども入り組んでおり、非常に緻密な計算で成り立っています。
本書で取り上げている例でいうと、新宿三丁目駅に副都心線を通す際、丸ノ内線と都営新宿線の間に線路を掘ったのですが、副都心線と都営新宿線のトンネル間の距離は最も狭い部分で11センチ(!)だそうです。掘り損ねて新宿線のトンネルを壊していたらどうなっていたことか(笑)。

その他、地下鉄の運行や、私鉄やJRとの乗り入れについても書かれており、ITを含めた技術力で、非常に複雑なダイヤグラムに沿った運行システムができあがっているのが見て取れます。
(現在、震災による節電ダイヤで各線が運行していますが、これができるのもシステム制御がしっかりしているからと言えるでしょう。)
東京の地下鉄がこれだけの精度を維持しながら走っているのは奇跡に近いと思いますが、裏側でどのような努力があったか、どういった技術の上に成り立っているのか、知りたい方は読んで損はしないと思います。

|

« [読書メモ]竹田恒泰『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』 | トップページ | [ITニュース]ブロガーズ・ネットワーク翼に移行しました »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/75808/45718974

この記事へのトラックバック一覧です: [読書メモ]川辺謙一『図解・地下鉄の科学』:

« [読書メモ]竹田恒泰『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』 | トップページ | [ITニュース]ブロガーズ・ネットワーク翼に移行しました »