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2011年6月19日 (日)

[読書メモ]松下幸之助『道をひらく』

道をひらく(松下幸之助)

昭和43年、40年以上前の出版です。自分が生まれる5年前ですし、歴史的な知識を想像で補いますが、当時の日本は高度成長期のさなか、このまま繁栄が続くと多くの人が考えていたと思います。
変化はそれほど強く要求されていなかったでしょうし、むしろ余計なことをして勢いをそぐほうが嫌われたかもしれません。昨日と同じやり方、隣と同じやり方でうまくいくのだから、わざわさ違う方法をとる必要もなかったのではないでしょうか。
そのような時代背景で、現在のパナソニックの創業者である松下幸之助氏によって、この本は書かれました。元は雑誌の連載なので、単行本になった昭和43年より少し前の文章もあるかと思います。

この本から、私は3つのことを受け取りました。
まず1つ目は、真剣であること。剣道と剣術の話から、元々の意味での真剣勝負に触れ、真剣というのは生命をかけることだと教えられます。本当に生命を失うことはないとしても、何かに真剣に取り組むことによって、生き方や価値観が変わってくることはあるだろうと考えています。
2つ目は、素直さ。完璧な人間などいないし、自分の弱点も含めて、ありのままの自分自身を受け入れることの大切さを説いています。自分自身の成長のためにも、まずは自分がどのような人間で、何に強く何に弱いのか、知っておく必要があります。ところがこの作業が難しく、強がったり逆に卑下したりと、正当に自分を評価できないことがよくあります。自分自身に素直になることが、成長への第一歩ではないかとも感じるのです。
そして3つ目が、スピード感。昭和39年に東海道新幹線が運転を開始し、高速道路や旅客機の航路も広がってきていた時期で、日本国内の移動にスピード感が出てきていたのだと思いますが、40年以上前から仕事でのスピードを大事にしていたことは注目に値します。長時間の残業もいとわないモーレツ社員が評価されていた時代だと思いますが、「働き方のくふう」(本書146~147ページ)には、
「人より1時間、余計に働くことは尊い。努力である。勤勉である。だが、今までよりも1時間少なく働いて、今まで以上の成果を上げることも、また尊い。」
とあります。40年前だと、誰が仕事をしても同じ時間で同じ成果になる、というのが半ば前提にされていたと思いますので、効率を上げるという感覚が当時の読者にどれくらい理解されたのかわかりませんが、その時期にこういう文章を残していた慧眼に驚かされます。

時代は大きく変化していますが、仕事のやり方や経営の本質は変わっておらず、効率化や新しいビジネスがあったとしても本質を見失ったものは淘汰されていっていると感じます。
40年前の文章でも、それが今も変わらない本質を突いていれば、現在読み直しても全く古さを感じさせないというのが、本書のすばらしさでもあります。

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