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2011年8月18日 (木)

[読書メモ]大前研一『私はこうして発想する』

私はこうして発想する(大前研一)

経営コンサルタントで、経済評論家の大前研一氏の著書です。
タイトルに「発想」とありますが、今まで読んできたアイデア本とはひと味もふた味も違います。なぜなら、発想する内容が経営であったり経済であったりと大きな枠組みのものであり、新しいサービスや製品を考えるのとは目的が違うからでしょう。また、個人的な思い込みを廃し、あらゆる事実をフィルタリングしないで受け入れ、その中から正解を見つけていくという方法論も、自分には新しいものでした。

大前氏は2005年に、「ビジネス・ブレイクスルー大学院大学 (BBT)」を開校し、新しい時代にふさわしい経営者の育成を行っています。自分も興味があって、BBTのサイトを覗いたことがあったのですが、学費の負担が大きいので踏み切れずにいました。そして、そもそも、「自分は経営者になりたかったのだっけ?」というところまで引いて考えていて、今もなお逡巡中です。
本書では、BBTでの授業の内容も紹介しながら、とくに経営における発想法について、いくつかのポイントを示しています。第1のポイントである「先入観を疑う」というのが、できていそうで全然できていないと、よく感じます。
自分の場合ですが、新しいアイデアは自分にとっての必要性から生まれることも多いのですが、この段階ですでに自分の先入観が入ってしまっており、先入観を含んだフレームワークから抜け出せない発想になってしまいがちです。アイデアを他の人にぶつけたりしてそのフレームワークを壊しにかかるのですが、思い入れもあったりしてなかなか壊せないというのが正直なところです。

新しいサービスの企画という視点では、第3章の「他にはないものを目指す」が大事ですが、この章の内容が弱いと感じました。元々、発想という意味において、他にないものを考えるのが大前提ですし、その方法論として新しいものが出てくるわけでもなく、事例も成功事例なのかどうか微妙なものが多いように思います。
そのあとの「歴史から教訓を引き出す」(第4章)、「敵の立場で読む」(第5章)のほうが有用でした。歴史、つまり過去の事実を参考にすることで、現代の日本というフレームワークを壊すことができますし、逆に事実のとらえる範囲を歴史に限ることで、見落としていた事実にも気づきやすくなります。また、敵だけではなく、いろいろな利害関係者、たとえば提携先の相手企業であったり顧客や一般消費者であったり、そういった人々の立場からアイデアを見ることで、多角的な視点を得ることができます。とくにビジネス上の企画であれば、Win-Winの関係を構築できているかが、他者の視点から見ることで明らかにできる部分もあるでしょう。

私の場合、経営はともかく、企画には興味があり、自分で考えたことで世の中に影響を与えることができれば、それは非常にワクワクすることです。そこには単なる空想ではなく、事実をベースとした、地に足のついた発想が求められますから、もっといろいろなことを学び、実践していければと思っています。

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