« [読書メモ]見城徹・藤田晋『憂鬱でなければ、仕事じゃない』 | トップページ | [読書メモ]亀田潤一郎『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』 »

2011年9月24日 (土)

[読書メモ]羽生善治『結果を出し続けるために』

結果を出し続けるために (ツキ、プレッシャー、ミスを味方にする法則)(羽生善治)

将棋棋士、羽生三冠の著書です。棋士が書籍を出すのは将棋の技術書(棋書)のことがほとんどなのですが、羽生三冠は一般的な棋書は比較的少なく、将棋普及のための入門書と、本書のような将棋以外の世界にも適用できるビジネス書が多くなっています。
(ちなみに、前回3月に羽生さんの書籍を紹介したときの肩書きは「名人」でしたが、将棋の肩書きの名人は、7つあるタイトル戦の1つで、7つのタイトルとも毎年タイトル戦が行われます。4月~6月に行われた今年の名人戦七番勝負で、羽生名人は森内九段に敗れて名人位から陥落(なので現在は森内名人)、羽生さんは王位・王座・棋聖の三冠となっています。)
羽生三冠は現在40歳ですが、初タイトルが19歳のときの竜王戦(1989年)で、翌年に竜王位を失冠した4か月間を除けば、現在まで7つのタイトルのいずれかを獲得しており、1996年には7冠全てを制覇したこともあります。このように、20代前半から20年近くにもわたって第一人者であり続けるのには、単に将棋が強いだけ以上の理由があるのだと考えられますが、本書でもそのあたりのことが述べられており、将棋以外の場面でも役に立つ内容が多くちりばめられています。

自分に結果が出ていないとき、たまたま不調で実力を発揮できていないのか、そもそも実力がないのかを見分ける方法が示されています。結果だけではなく内容を見れば、内容が伴っていてたまたま結果が出ていないだけなのか、それとも実力がなく内容も悪いのかがわかりますし、信頼できる第三者に自分がどう見えているか聞いてみてもいいともありました。不調のときは自分の判断も狂ってきて、客観的な判断ができなくなっていますから、自分の判断と他人の判断をすり合わせて、自分を過小評価、ときには過大評価していないかを見るのも大事ですね。
逆に、ついているとき、運が回ってきているときもありますが、それに一喜一憂してしまっては自分の実力を伸ばすことにおろそかになってしまう。ツキや運にとらわれずに最善を選択することが大事ですが、何が最善かわからないときでも決断を下すべきときはあります。そういったときは主観で判断することになりますが、気持ちをまっさらにすることで、よりよい判断が下せると言います。羽生三冠は色紙によく「玲瓏」と揮毫しますが、このまっさらな気持ちの状態こそが「玲瓏」であり、座右の銘にしているそうです。

後おもしろかったのが、羽生三冠の苦手なものとして、「人前で話すこと」と「毛筆で字を書くこと」があったのだそうです。だから子供の頃に将棋に打ち込んだというのもあるのかもしれません(羽生三冠や私の子供時代のお稽古事として、習字がありましたから、習字をしない代わりに将棋道場に通っていたというのがあったのかも)。それが今や、将棋棋士として色紙や扇子に先ほどの「玲瓏」など、多くの揮毫をすることになりましたし、多数の講演もこなされています。本書でも書かれていましたが、苦手だと思っていたことが、ずっと続けることになるのは、よくあることなのではないでしょうか。

最後に、本書の制作にあたって「100冊の本制作委員会」が関わり、102名の著名人から幸福や成功についてのインタビュー後、1人1冊で電子書籍が作られているということです。こういうプロジェクトが動いていることを知りませんでしたが、一般の方々が新しいものを作り出し、多くの人に言葉を伝えていくこのプロジェクトに、非常に興味を持ちました。始まったときに知っていればうまくいくことを願っていたと思いますが、こうやって結果が出たことで、第二第三の「100冊の本」プロジェクトが生まれるきっかけになればと思います。

|

« [読書メモ]見城徹・藤田晋『憂鬱でなければ、仕事じゃない』 | トップページ | [読書メモ]亀田潤一郎『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/75808/45719035

この記事へのトラックバック一覧です: [読書メモ]羽生善治『結果を出し続けるために』:

« [読書メモ]見城徹・藤田晋『憂鬱でなければ、仕事じゃない』 | トップページ | [読書メモ]亀田潤一郎『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』 »