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2011年9月21日 (水)

[読書メモ]見城徹・藤田晋『憂鬱でなければ、仕事じゃない』

憂鬱でなければ、仕事じゃない(見城徹・藤田晋)

幻冬舎社長の見城徹氏と、サイバーエージェント社長の藤田晋氏の共著です。ふたりは師弟関係とも言えそうな深いつながりとお互いへの信頼をもっているようですが、対談ではなく、見城氏の信念のこもった文章を受けて、藤田氏が自分の思いを返す、というやりとりで本書が構成されています。

見城氏の文章から強く伝わってきたのは、「圧倒的な努力」という言葉に代表される自身の経験と、それに裏打ちされた絶対的な自信です。人生において成功を収めるにはこれだけの行動が必要なのだとしたら、成功は覚束ないと絶望するのに十分です。さらにいうと、見城氏と同じ量の努力をもってしても、方向が誤っていれば成果には結び付きませんし、そもそも見城氏は成功しているのか、という疑問さえ湧いてきます。
おそらく、見城氏はこれからも、高みを目指すプロセスを求めて、世間の流れに抗い続けるのでしょう。見城氏が、そして幻冬舎が、どこに向かっているのかが見えてこないため、見城氏の主張はやや咀嚼しづらかった部分はありました。

どちらかというと、藤田氏のほうに共感できました。私と同い年(1973年生まれ)で、自分もIT業界で働いていますので、親近感もあります。自分はそこに行くだけの方法も勇気も努力も足りませんでしたが、ひょっとしたら藤田氏の立場に自分がいたかもしれないと想像できる程度には、藤田氏の意見は理解できるように思います。
その中で意外だなと思ったのは、藤田氏が人間関係を非常に大事にしていること。同じITで名をあげた堀江貴文氏(元ライブドア社長)や三木谷浩史氏(楽天社長)らとは、苦楽をともにした仲間であり、ビジネスを超えた交流が続いているとのことです。こういった関係を自分は持てておらず、ともすると表面的な人間関係に終始してしまうのですが、それが藤田氏と私を分けるもの、あるいはほかの主催者よりも自分があまりうまく勉強会を回せていない理由となるのかもしれません。

見城氏と藤田氏のやりとりのうちいくつかは、藤田氏が気圧されているか、見城氏の真意を測りかねているかで、意見がかみ合っていないものもあったかと思います。本書のタイトルにもなった「憂鬱でなければ仕事じゃない」も、2人の見解はちょっとずれているのですが(というか、この項に関してのみ言えば、藤田氏の見解は浅いと言わざるを得ないでしょう)、そのずれがどこから起こったか、藤田氏は見城氏の主張をどのように受け止めたのか、という観点から見てもおもしろいものです。

そして、自分の心に残ったのは、やはり「圧倒的な努力」というフレーズです。自分には見城氏が言うような圧倒的な努力はできなかったとしても、結果を得るための努力、勝つための努力、言い換えればためにするわけではない努力を、自分はどれだけやって来たでしょうか。
この間、勤務先の野球チームの試合で、残念ながら負けました。悔しがっているみんなの中で、ひとり冷めている自分がいるのに気づきました。それが野球であっても、勝つこと、結果を出すことへの欲望を、失ってしまっているのです。
本書の主張と自分の思いが、まるっきり逆を向いています。いろいろ思うところもあるので、簡単にどちらが正しいとか自分がダメだとか言うつもりはありませんが、この本に出会ったことで、自分を変えるきっかけにしたいと思います。

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