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2011年11月 7日 (月)

[読書メモ]木山泰嗣『憲法がしゃべった。』

憲法がしゃべった。~世界一やさしい憲法の授業~(木山泰嗣)

4月に勤め先の朝礼で社長が紹介してくれた本で(作者と知り合いなのだそうです)、5月3日の憲法記念日にエントリーできればよかったのですが、なかなか入手しなくてこの時期になってしまいました。
1946年の11月3日が現憲法の公布日(施行は翌年5月3日)ですので、11月3日に書きたかったのですが、それも叶わず。11月3日の前に読んではいたのですが。残念。

さて、自分の住む国の最高法規である日本国憲法について、案外知らないことがたくさんあるということを改めて知りました。付則も含めて103条あるのですが、巷でいわれる「憲法改正」はそのうちの第9条(もちろん、戦争放棄の条文)しか見ていないと言っていいでしょう。首相公選制だ、一院制だという意見も時々出てきますが、これらを実現させるのに憲法改正が必要だとはあまり認識されていないようです。つまり、首相を国会の議決で選任するのは憲法の第67条で、二院制は42条で規定されているわけです。
そういったことを考えると、この国のあり方を考える際に、憲法がどういうものであるのか今一度考えてみることは、決して無駄なことではないといえます。

日本国憲法の三大原則は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義(戦争放棄)。学校で習っているはずなのですが、忘れている人も多いかと思います。忘れているというより、空気のように当たり前に私たちの生活に根付いているので、改めて問われると答えが出てこない、といったほうがいいかもしれません。
ただ、この「当たり前」が、現代の日本だからという部分はあり、国民の人権が尊重されていない国は世界には数多くあります。また、日本も帝国憲法では軍隊を持ち戦争が必要だと考えていたわけで、そういった歴史の反省の上に成り立っている憲法であることも、忘れてはならないと考えます。

本書は戦争放棄についてはさらりと書いてある程度で、残りの2つについて重きが置かれています。法の下の平等、国民主権、精神活動・経済活動・身体の自由、国民の三大義務(教育・勤労・納税)など、憲法が規定していることは多岐にわたりますが、そのそれぞれについて、具体的にどういうことなのか、なぜそのような自由が認められているのか、といった憲法の精神に触れる部分をしっかりと書いてくれています。
自分がこの文章を書けるのも「表現の自由」が認められているからですし、IT会社で勤めているのは勤労の義務を果たすとともに、職業選択の自由があるからです。

私たちの生活は、憲法によって守られています。当たり前すぎて忘れていることが、この本を読んで思い出すことがたくさんあるので、何かの折に読んで損はない一冊です。
憲法改正の議論も、それ自体は大事なことではあるのですが、憲法の精神を忘れてしまっては困りますし、精神をないがしろにするような改正はどうにも賛成しづらい、そう思っています。

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