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2011年11月 6日 (日)

[読書メモ]ダニエル・ピンク『ハイ・コンセプト』

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代(ダニエル・ピンク)

『モチベーション3.0』などで知られる、ダニエル・ピンク氏の著書です。原著が2005年の発行と少し古いのですが、この本をテーマとした勉強会があると聞いて、手に取ってみました。残念ながら勉強会のほうには都合がつかなくなってしまったのですが、書籍は十分に読む価値があったといえます。

まず衝撃的だったのが、社会のIT化とグローバル化にあわせて、自分たちの仕事が価値を失っていく、という事実を突きつけられたことです。それは私が勤めるIT業界、システム開発の仕事も例外ではなく、コストの安い外国と競争できるのか、その仕事自体がITに取って代わられないか、と考えていくと、いずれコスト競争に陥り、仕事に対する報酬がどんどん下がっていくことになります。
勤め先で、社長が労働集約型の業務にならないように常に意識していく、といった趣旨のことを繰り返し話していますが、まさしくこのことにあたるかと思います。「労働集約型」という言葉がまだ自分の中で咀嚼できていないのですが、辞書的な意味では人間の労働力に対する依存度が高い状況のことで、働く側も楽ではないし、いつシステムや低コストの労働者に置き換えられるかわからない、という不安の中で働くことになります。

よく言われるのが、新しいことを考えることは機械にはできないわけで、その部分を人間が仕事にしていく必要がある、となります。本書にはその方法として6つのコンセプトが示されており、これからの働き方を考える上での重要な指針となります。
本編は導入として人間の脳の構造を扱うのですが(ここだけ見ていると訳は大前研一ではなく、茂木健一郎かと勘違いしてしまう(笑))、美的センスや感情を司る右脳の力を、もっとビジネスに生かしていくことが求められています。
6つの「ハイ・コンセプト」は、左脳優位な考え方だけでは決して達成できず、右脳優位の領域を生かしていくものとなっています。つまり仕事で成功する方法は論理や数式によってマニュアルが作れるものではなく、誰かの示した方法に従うだけではダメだということになります。

(1)機能だけではなく「デザイン」、(2)議論よりは「物語」、(3)個別よりも「全体の調和」、(4)論理ではなく「共感」、(5)まじめだけではなく「遊び心」、(6)モノよりも「生きがい」。
こうやって並べると、先日この世を去った、あるIT起業家の名前が浮かんできます。
その人物、スティーブ・ジョブズ氏は、iMacやiPhoneといった独特なデザインの製品を次々と発表し、低迷していたアップルの業績を世界一のレベルまで引き上げました。また、自分たちの製品に物語を与え、ユーザーがアップル社の製品を使うことでステータスが高まるように仕向けました。もちろん競合他社が現れるのですが、デザインや物語性の部分、そしてユーザーへの共感という部分で、アップル社とは大きく水をあけられていると感じます。

各章末には6つのコンセプトを手に入れる手がかりとなるサイトや書籍、考え方などの情報が出ています。英語のサイトが多いのでどこまで参考にできるかわかりませんが、考え方などは意識していくことはできそうです。

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