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2011年12月29日 (木)

[読書メモ]山梨広一『プロヴォカティブ・シンキング』

プロヴォカティブ・シンキング ―面白がる思考(山梨広一)

現役コンサルタントの発想法の著書で、問題解決の手法としての発想法を提示している1冊です。
タイトルにある「プロヴォカティブ」(provocative) とはあまり聞き慣れないことばですが、挑発的な、刺激的な、などの意味を持った英単語です。本書にもあるように、あまりよいイメージの言葉ではないがあえて使っている部分があります。副題の「面白がる」も、これ単独では誤解されてしまいそうですが、おもしろいことだけを恣意的に取り上げて発想することをよしとするわけではなく、あくまでも論理的に、かつ前向きにという考え方です。
「とがった発想で、常識ではなく理論で攻める」というのがプロヴォカティブ・シンキングの骨子にあたるのではないかといえます。

発想の方法を擬人化して、本書の目標であるプロヴォカティブ・シンキングを【面白がる君】、そのほかの典型的なパターンを【思いつき君】【堅実君】【ヒトマネ君】と分類しています。
自分がこれまで作って来たアイデアは、【思いつき君】のそれに近いかもしれません。アイデアの数は出せるのですが、その土台にある思想がなく、ただ新しいことをやりたいというだけで一貫性のないアイデアを思いつくままに展開していたといえます。
(もちろん、コピーライターの発想法やブレインストーミングの場などでは、とにかく思いつく限りのことを言葉にしていくというプロセスが必要で重要だということはあり、【思いつき君】の方法が一概に否定されるべきものではないと思いますが。)

どんな問題も「実現できる」と考え、常識の枠を取り払い、具体的な高い理想を掲げて、その理想の実現のために論理で詰めていく。そしてこの過程を【面白がる】。
もちろん簡単ではありません。本書にはその苦労はとりたてて書かれていませんが、前例や常識にとらわれた自分の発想をリセットする作業や、課題の実現に向けて論理的に考え抜く作業が要求されるため、【思いつき君】の発想レベルではとうていたどり着かないでしょう。方法だけではなく、心構えの部分から切り替えていく必要がありそうです。
とはいえ、与えられた課題をできないと考えるのではなく、「実現可能だ、そのためにはどうすればいいか」という立場から考えるように変えていくのは、プロヴォカティブ・シンキングの第一歩として大事なことですし、比較的実行しやすいのではないかと思いました。

今の勤め先はITベンチャー企業なのですが、今期(来年6月までの1年間)の売り上げ目標が前期の3~4割増しの数字に設定されました。今期の目標は自分としては無理かなと正直感じていたのですが、社長は「できる」と考えているようですし、専務はさらに2割増しの売り上げを目標にすると明言しています。
そして実際、その数字の達成に向けて全社が動いており、できると思うかどうかで、行動も成果も変わってくるのだと実感させられています。自分も考え方を変えて、何でもできると思って(言葉の上だけではなく、自分の本質的な部分でできると感じるようにする)積極的に取り組むことで、成果を上げていきたいと考えています。

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