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2011年12月11日 (日)

[読書メモ]ちきりん『自分のアタマで考えよう』

自分のアタマで考えよう(ちきりん)

人気ブロガー、ちきりんさんの新著です。
タイトルにある「自分のアタマで考える」は、当たり前のようでいてなかなか実践できていないことです。新聞などマスメディアの情報を鵜呑みにしたり、自分の意見に合う情報だけを選択的に信用したり、自分で考えているつもりでいても実はそうではないというパターンは少なくありません。
ただ、自分のアタマで考えるとはどういうことなのか、人によって解釈が違うと思います。作者がどのように考えているのか、著書の中でどのように主張しているのかも気になりましたので、その視点でも読んでみました。

著者のいう「考える」ことの中で、自分にできていないこと、そして自分にとって最も耳の痛い指摘であったのは、考えるとは「結論を出す」こと。その結論が正しいかどうかはさておき、結論を出せていないのなら考えていないのだという主張は納得できるものでした。
自分も結論を出せるところまで考えが至っていないことも多く、まだまだ成長の余地があるようです。
常識や世間の空気、マスメディアの主張といった、正しいとされていることに対して正面から挑戦し、やっぱり違うんじゃないの、と自分の主張を持つことも大事です。自分は毎朝通勤の途中で日経新聞を読み、気になった記事へのコメントをツイートしています。新聞も人間が作っているものであり、決して絶対的な正ではない(もちろん、全てが誤っているわけでもない)ので、記事や主張に対してツッコミを入れるつもりで読んでいることと、つながってきているのかなと思います。

前半は考え方のツールとして、MECE(漏れなく、重なりなく)やWhy-so/So-what(なぜそうなるのか、そうなればどうなるのか)などの方法論を提示し、考えるにあたって必要なことを示しています。このあたりのことは企画のやり方の書籍などでは必ずといっていいほどよく紹介されていますが、もっとわかりやすくかみ砕いて説明されているように思いました。
後半は少子化や自殺者数増加といった現在の日本における社会問題を取り上げ、メディアや有識者の意見ではない、自分の考えでどのような結論を出すかのワークとなっています。ちきりんさん自身の見解も出ていますが、それに乗っかったり批判したりするだけでは、冒頭に書いたとおり考えているとはいえず、やはり自分なりの答えが必要な部分でしょう。

「考える」というのは、実は非常に難しい行為ではないかと感じます。というのも、世間が自分なりの結論を出すことをよしとしない風潮にあり、空気を読むべきだとか、間違いは認めない(責任を取らせる)だとか、考えること自体がリスクとなっていますし、リスクと責任を避けるために考えないほうがよい、ということになってしまっています。
誤りを非難するよりも、必要な情報を集めて自分なりの結論を出したことと、そのプロセスに対して高い評価がなされる社会になってほしいですね。

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