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2012年1月 6日 (金)

[読書メモ]原マサヒコ『アクセルを踏みこめ』

アクセルを踏みこめ(原マサヒコ)

学校からも家からも追い出され、自暴自棄になっていた青年が、自動車整備のエンジニアとして大成していくまでの成長を描いた物語。
作者自身の体験をベースとして、学校や会社でいじめにあっていた話、その中から主人公を理解してくれる先輩や友達の存在、そして彼らの病気や死という事件を乗り越え、技能オリンピックで優勝するまでを描いています。
感動して涙するのも悪くないのですが、それだけで終えてしまうのはあまりにももったいなく感じました。この本から、主人公にできて自分ができていなかったことは何だろうかと考え、そして行動に反映させていければと思います。

ポテンシャルとハンディキャップの両方を持ち合わせた主人公ですが、本人も外部も、どうしても欠点のほうが目についてしまいますし、気にしてしまいます。多くの人がポテンシャルに気づかないまま人生を過ごし、また欠点につぶされてしまう人もいるわけですが、主人公はそうはなりませんでした。
ぎりぎりのところではあったと思うのですが、人と仕事に恵まれ、自分のポテンシャルを発揮する場が与えられたことが1つの要因とはいえます。ですが、場が与えられるのと、実際に力を発揮するのとはまた別物で、やはり主人公の意識が高かったことは特筆すべきでしょう。

いちばんのエンジニアになる、という夢を持ってこの世界に入り、何度も挫折しそうになりながら夢を捨てなかった主人公。その夢は「技能オリンピックで優勝する」という具体的な目標に代わりますが、この目標でさえ、自分には無謀なものに思えました。
高いレベルの目標を定めたとき、できるんだ、やるんだと考えて日々の行動に落とし込めるか、無謀だと思って最初からやらないかが、主人公と私自身との最大の違いではないかと感じましたし、それがそのまま自分が成果を出せない理由にもなっているのかもしれません。

前作(『人生で大切なことはすべてプラスドライバーが教えてくれた』)は未読ですが、前作の内容を小説風にリメイクしたと聞いています。なので前作にあることかもしれませんが、本人の体験を、仕事術や自己啓発という形でいくつかのポイントに落とし込んで、ビジネス書として示すこともできたかもしれません。個人的にはビジネス書として示せる部分が本書の本質だと思っていますが、本質だけで書き上げてしまうと類書が増えてしまうでしょうか。
映像化、映画化を期待する声もあがっていますが、自分は映像化はされてほしくないと感じました。映像化すると、主人公が大会で優勝するまで、どんな苦労を乗り越えて、どんな悲劇が彼を襲ったのかを描く、涙と感動のサクセスストーリーになってしまい、本書の本質を失ってしまうようにしか見えないのです。

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