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2012年1月14日 (土)

[読書メモ]目崎雅昭『幸福途上国ニッポン』

幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言(目崎雅昭)

日本は物質的に生活が豊かになり、制度的に自由が保障されています。ところが、日本国民が幸福を感じているかというと、そうでもありません。近年の不景気で幸福度が低下したわけでもなく、「一億総中流」といわれていた時期やバブル経済の時期も、幸福だと回答する人の割合は現在と変わっていないとのことです。
また、中東の産油国などでは、国民は働かなくても生活できるだけの富が国家に流れてきますが、それで国民が幸福になれるかというと、必ずしもそうではないという結果が出てきています。
本書の前半では、そういった各時代との比較や国際比較を繰り返し、国民が幸福を感じる条件を絞り込んでいきます。

詳細は本書に譲りますが、幸福度を高める大きな条件として考えられるのが、「自由」と「女性の権利」。
日本の場合、憲法をはじめとした法制度上は各種の自由が認められていますが、実際には常識や場の雰囲気(いわゆる「空気」)など、様々な同調圧力が加わっており、行動や発言の自由はそれほどありません。また、女性の社会進出は先進国では最低レベルで、企業の役員や自治体の長となる女性は、全く少なすぎます。

後半は日本を幸福な国にするためのいくつかの提言で、まとめとして「社会個人主義」を提唱しています。社会個人主義とは、国民ひとりひとりが幸福を感じることを目的とし、そのために様々な形での社会貢献を通して、幸福感を育てていく考え方ということになります。
社会貢献活動は大事な考え方ですが、皆が同じ方向を向かないことがもっと大事でしょう。やりたい人がやりたいときに、やりたいように活動でき、その結果が社会貢献につながるというのが、幸福感を育てるという意味では必要ではないかと考えます。
幸福感というのは、言い換えれば「生き甲斐」「働きがい」のことであり、働かなくても生活していける状態よりも、働きがいを持って働ける状態のほうが幸福感は高いでしょう。労働から社会起業へのシフトが起こるのも、「モチベーション3.0」や「フロー」と呼ばれる働き方が注目されているのも、究極的には本人の幸福のためです。そうやって考えると、社会個人主義は単なる社会のあり方だけではなく、国民一人一人の意識も、ドラスティックに変えていくことになるのでしょう。

日本は多様性のない、言い換えれば価値観の多様化に強い抵抗を示す社会です。このことが、日本国民の幸福度を頭打ちにさせる要因のひとつではないかと感じるわけです。
女性の社会進出もそうですが、外国人や高齢者をどのように社会が受け入れるか、また勤労という面で考えても、短時間労働やダブルワーク(副業)など、様々な生き方、働き方、価値観があってしかるべきですし、私たちは多様化を受け入れることが必然となるでしょう。
そしてその先に、国民の幸福が待っていると確信しています。

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