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2012年2月23日 (木)

[読書メモ]斉藤徹『ソーシャルシフト』

ソーシャルシフト―これからの企業にとって一番大切なこと(斉藤徹)

ツイッターやフェースブックが流行し、企業の公式アカウントというものも使われるようになってきました。こういったSNSなどを用いた情報のやりとりの場が「ソーシャルメディア」、企業がソーシャルメディアを活用して、商品やサービスの開発・展開に当たり消費者と一体となった活動を行っていくことが「ソーシャルシフト」ということになるかと思います。
本書では企業における活用例と、これからの企業のあるべき姿、進むべき道が示されています。そうしないと消費者に見放され、生き残っていけない、というのはもはや決まり文句となってしまっているようにも思いますが、現実的にそのような方向に動いていくのでしょう。

事例のほうでは、東日本大震災直後のNHKの対応が印象に残りました。震災直後は電話もメールも通じず、電力も遮断されてテレビも見られず、携帯電話でのツイッターが唯一の情報手段という人も多かったと思います。
このとき、NHKは各部署の公式ツイッターアカウントが自然と強調して情報を提供し、テレビ放送が無断でネット配信されていることを知らされたときも、自社の権利(著作権)よりも情報の広範な提供を優先していくという判断を行いました。非常時の特殊な事例ではありますが、被災者が、視聴者が何を求めているかを察知し、目先の利益よりも視聴者の信頼を優先する柔軟な対応が取れたのは、驚かずにはいられません。
公共放送として当然の行動ではあるのかもしれませんが、NHKの対応とソーシャルメディアの力に助けられた方も多かったのではないでしょうか。

後半にあった企業のソーシャルメディア活用の提言ですが、ここまでしないといけないというのであれば、かなり困難な課題ですし、またこれだけやっても成功する可能性が必ずしも高くないように思われます。
そもそも、メディアは媒体という意味であり、道具にしかすぎません。それはソーシャルメディアも同じでしょう。本来なら消費者を意識し、顧客満足度を高めることを目的とした企業活動を行うのが当然であり、ソーシャルメディアが現れたのでそれが可能な方法が増えた、というだけなのかもしれません。目的と手段を取り違え、ソーシャルメディアを使うことが目的となってしまい、肝心の消費者が置いてきぼり、というのも実際に起こりそうな問題でしょう。
(企業活動の目的は利益の最大化であり、顧客満足度の向上はその手段に過ぎない、という考え方もあるかと思います。この辺は議論の余地があるかと思いますが、個人的には顧客満足が目的で、利益はそれに付随するものであると考えたいです。)

今の勤め先が、5つの「楽しむ」を経営理念に、ソーシャルメディアの活用も事業として行っています。それだけにソーシャルメディアのあり方、使い方は今後も注視していきたいですし、仕事での使い方、プライベートでの使い方を考えていく必要もあります。
企業のソーシャルメディアの使い方は、これからも試行錯誤が続いていくものと思われます。ソーシャルメディアは個人間のもので、営利目的で使われてほしくない、という感覚も理解できますし、各企業はそういった声にも折り合いをつけていかなければならないように思います。

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