遊戯史学会

2010年5月27日 (木)

1年ぶりに更新。

このブログを1年間放置していましたが、先日 (5/22) に遊戯史学会に出席したので、その報告もかねて、再開します。
懇親会で、「最近ブログをやってないですよね」といわれて驚きました。1年以上更新しないままで、スパムコメントがたまにつくだけだったブログを見てくださり、心配してくださる方がおられたのです。

この1年の間に、いろいろありました。
昨年秋に東京に転職し、住まいも徳島から埼玉県の川口に移しています。
また、放送大学の修士課程は、おかげさまで修了できました。修論の内容を見たいという方がおられましたら、メールかtwitterかmixiか何かで、私まで連絡いただけますでしょうか。

さて、遊戯史学会の例会の講演のうち、ひとつが読売新聞の西條記者による、日本将棋連盟の歴史でした。
ちょうど昨日(5月26日)が棋士総会で、そこでの議題の一つがリークされていましたが(笑)、こういう形になったようです。
プロ棋士の引退規定変更、公式戦ごとに : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
読売ですし、西條さんの記事かも知れません。

読売自身、(もちろんプロ野球の力も大きいはずですが)将棋人気によって勢力を伸ばした新聞社でもあります。大きなところでは、坂田三吉-木村義雄の「南禅寺の戦い」が読売主催だという話が、西條記者が将棋世界で書かれていました。

そしてやはり気になるのは、将来のこと。
女流棋士の分裂問題もありますが(今回の講演では話題にされませんでした)、公益法人化への動きが問題。
一部の掲示板などでは指摘されているようですが、連盟から棋士への給料が、公益法人としては認められない「利益の分配」に当たるという懸念は、実際にあるようです。
また、正会員の資格が奨励会を通過したプロキシに限られ、現状で女性が一人もいないことも、問題視されるだろうということでした。
ちなみに囲碁のほう(将棋は社団法人ですが、囲碁は財団法人)は改革が頓挫しているとの話もあるようで、将棋連盟もかなりの痛みを覚悟しないと、改革は難しいのかも知れません。

総会の場で、「実隆公記」をはじめとする戦国時代の日記などにある将棋の記述をテーマとした、修士論文が書けたことを報告しました。
その反響はすごくよくて、見せてくださいという方が何人もいてくださり、それぞれ本日コピーを郵送いたしました。
今週中には届くかと思いますので、もうしばらくお待ちください。

論文そのもののできはあまりよくないかも知れません。指導教官の方には、難点か厳しい指摘も受けています。とはいえ、単位は取れています(笑)。
日本史として修士論文を書きましたが、遊戯史的には違う見方があるかも知れません。感想など、お伝えいただければ幸いです。

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2008年11月30日 (日)

遊戯史学会に行ってきました

5か月くらいぶりです。サボっていたのはブログの更新だけで、研究は (順調かどうかはともかく) 進めているし、9月にはゼミ合宿にも参加しました。「実隆公記を読む会」もほぼ毎回参加しており、この間は津山の美作大学での勉強会にも出ました (廃止が決まった、急行「つやま」にも乗ってきましたよ) 。

さて本題。昨日は東京で「遊戯史学会」の総会があり、2名の方のお話がありました。これまでのボードゲームや日本の伝統遊戯からは少し広がり、一人の方は英国のスポーツの歴史 (主にボクシングの合法化の歴史) 、もうお一方は幕末から近代にかけての博徒集団のお話でした。博徒集団のお話は、講演者が自分より1つ年下だということにまずびっくり。そして囲碁の高尾本因坊の実兄だということで、さらにびっくりしました。

その後懇親会があり、将棋の歴史の話でひとしきり盛り上がりました。研究資料を持って行っていたので、「二中歴」や「諸象戯図式」のコピーを見せたところ、皆さんに興味深く見られてしまいました (汗) 。そして、このブログもよく読まれているとのことで、あまりサボってもいられないなと。

懇親会ではいろいろと新説・珍説 (?) も飛び出しましたが、突き詰めて考えれば珍説といってしまっては失礼なもので、現在の常識が間違っており、「珍説」が真実なのかもしれません。懇親会でのお話、どこかできちんとした形で紹介されればいいのですが。

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2007年11月23日 (金)

「遊戯史研究」19号と2007年冬の例会

昨日、遊戯史学会から学会誌が届きました。昨年の2回、夏冬の例会に参加させていただいたのですが、そのときに発表された内容も含まれています (増川先生「将棋の起源――四人制か二人制か」、清水康二先生「韓国遊戯暼見録」、草場純先生「現代におけるゲーム文化の交流について――「ヤポンブランド」の船出」) 。

このほかの発表では、増川先生のもうひとつのもの、大橋家文書の資料紹介が気になりました。内容は初代大橋宗桂にあてられた手紙4通の解説です。大橋家文書には将棋の起源 (後奈良帝の時代に醉象を除いて現在の形になった、云々) を記したものがあるので、自分の研究のためにもそれを見てみたいと思っています。

学会誌に同封されて、増川先生から手紙をいただきました。例会の出欠の返事に、「実隆公記」で修士の研究をやりますと書いたので、そのことについてのお返事で、よいテーマを選ばれた、とのことでした。修士の合格発表はまだですが (試験の報告は別の機会にします) 、十分に手応えはありましたので、修論の研究がうまく進められるようにがんばりたいと思います。

来週の土曜日、12月1日に、遊戯史学会の例会があります。講演テーマは、増川先生の「中将棋について」、酒井知幸さんの「高校生へのゲームに関するアンケートについて」の2つ。どちらも気になりますが、今回は時間の都合が取れず欠席となりました。ざんねん。

PS. この記事を書くのに遊戯史学会からの手紙を読み直していたら、振り込み用紙が入っているのに今頃気がつきました。……すみません、まだ年会費を納めていません。orz

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2007年5月15日 (火)

遊戯史学会・2007年夏の総会

増川先生より、総会の案内が届きました。

6月2日午後2時より、東京・中央区の八丁堀区民館で行われます。講演は2本で、健部先生の「くじゅろく」と「どんちく」のお話、それから増川先生の囲碁の本因坊のお話となっています。

会員以外の方も自由に参加できます。自分も、昨年の総会に初めて参加して、その場で入会することを表明しましたので、新しい人は歓迎されると思います。

自分なのですが、今回の参加は微妙 (まだ返事は出していません) 。昨年は卒業研究という大きな目的があったのですが、そうでもなければ毎回東京に出るのは大変なので。存在を忘れられない程度に、たまに顔を出したいと思います。

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2007年1月23日 (火)

伊丹からの手紙

意味不明なタイトルですね (汗) 。映画のタイトル (古い歌謡曲ではない) をもじったわけですが。

伊丹に住んでいる、増川先生から手紙が届きました。
突然なんだろうかと思ったのですが、先日の例会で先生が講演された、「将棋の起源は2人制だった」に訂正したことが新聞記事に出ていたことを、その切り抜きと一緒に送られていました。
(読売新聞の記者さんで、竜王戦などの観戦記で名前を見たことがある方の署名記事になっていました。顔を知らないのでどなたかわかりませんでしたが、例会に来ていたのだそうです。)
結びには、研究を継続してほしいこと、次代、次々代の研究者として期待しているということも書かれていました。

自分としても、このままでは中途半端に感じるので、もう少し研究を進めてみたいと思うようになりました。ただ、遊戯史研究は大学での学問分野には収まらないので、大学院で研究を続けようとすると、やりたいことができなくなる可能性もあります。
そういう意味では、在野の研究者として、期限を切ることなくマイペースで調べて行ければどうかなと思っています。

さて、手紙が来たので、返事を書かなければなりませんが、増川先生がかなり熱心に書かれているので、どう返事してよいものか難しいです。
しかも手書きの文面だったので、こちらもワープロを使うのは失礼になりそうですし……。

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2007年1月 6日 (土)

年賀状

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

リジェクト以降、やはりいろいろ考えることもあり、投稿しない状態が続きました。
将棋史の研究を続けるかどうか、まだ結論は出ていませんが、ブログのほうは再開したいと思います。

増川先生から年賀状が届きました。
こちらからは挨拶状としてだったのですが、先生からは激励と研究の進め方についてアドバイスが、余白にびっしりと書き込まれていました。少し申し訳ないくらいです。

リジェクトの際に同封された手紙や、今回の年賀状のメッセージで、いくつか具体的な資料を提示してくださいました。
今後どのような形であれ、研究を続けるのであれば、そこが手がかりになってくるだろうと思います。

放送大学の卒業論文の面接審査が来週に迫っています。論文を出した学生の単位を落としたことはない、と担当の先生がおっしゃっていましたので、点数はどうあれ単位はあるだろうと思いますが、審査でどんな質問が来るのか、少し不安はあります。
遊戯史学会に論文を提出するのは、ゼミでのアドバイスだったので、論文を提出して受け取られなかったことは伝えておいたほうがよいのでしょうね。
あと、今後の研究の進め方で、放送大学の大学院を使うことができるのかも、聞いておく必要がありそうです。

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2006年12月 9日 (土)

リジェクト……。

今朝、学会から郵便物が届きました。大きさ的に先週渡した論文が入っていそうで、この時点でイヤな予感がしていたのですが、……。

結論から言うと、論文は査読された結果、受け取ってもらえないということになりました。これまでの研究のまとめに過ぎず、新しい知見がないということが主な理由ということです。そして、同封の手紙 (増川先生が書かれたもの) には、今後の研究の方向についてのアドバイスがありました。

さて、と。今後の選択は3つ。

  1. 研究を打ち切り、遊戯史に興味を持つ個人としててきとうに活動する。
  2. 無所属の研究家として、てきとうに活動を続ける。
  3. どこかの組織 (放送大学の大学院がいちばん手っ取り早いかな……) に所属して、成果を上げないといけない状態に追い込んで研究を続ける。

本気でやるなら答えは1つなのですが、そこまでやる熱意や自信が自分にあるだろうかと、自問自答。簡単には答えは出ませんし、大学院に進むにしても来年試験を受けて、入学するのは再来年 (2008年) になるので、考える時間はたっぷりあると思っています。

念のため。放送大学の卒業論文としてはリジェクトされていないので、卒業できなくなるということはないと思います……たぶん。

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2006年12月 1日 (金)

総会&講演会に行ってきます

明日、東京で遊戯史学会の総会があります。
世界における将棋の成立について、4人制と2人制のどちらが先であったかというテーマで増川先生の講演があり、これがいちばんの楽しみです。
あと、卒業論文で書いたものと同じ内容で、学会誌 (遊戯史研究) に投稿するつもりなので、その原稿を持って行きます。受け取ってもらえるかなあ……。

準備万端だったはずですが、すでにトラブル発生。
少しでも費用を抑えようと、神戸空港からの飛行機 (東京まで1万円) を使うのですが、神戸に行くバスの切符を、1時間遅く間違えて取っていました。(^^;)
切符を買ったのが1か月前なのに、気づいたのが今日。気づかずに乗っていたら、神戸空港に着いたときには飛行機が出てしまっていて、どうしようもなくなっていたので、最悪の事態は免れたようですが、ドジです。
本来乗るべき時間にバス停に行って、空席があればそのまま乗ってしまって大丈夫なのですが、満席だったらどうなるんでしょうか。
ちなみに、帰りは夜行バス。こちらは学割がきいて、8000円で徳島まで帰れます。懇親会を途中で中座しないといけないのが残念ですが、値段の誘惑には勝てませんでした (笑) 。

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